IPOにおける監査法人の必要性とは？役割や選び方も併せて解説

IPOを目指す企業にとって監査法人は重要な役割を果たします。

今回はIPOにおける監査法人の必要性や役割や選び方などについて解説します。

監査法人とは？

監査法人とは、公認会計士法という法律に基づいて設立された組織です。

多くの公認会計士が所属しており、企業などの財務諸表を監査する業務を主に行っています。

この監査とは、企業の財務情報が正しいかどうかを、監査法人が独立した立場からチェックし、その結果について意見を述べることです。

IPOを目指す企業にとって監査法人はなぜ必要なのか

IPOは、一般の投資家から広く資金を集めることになります。

投資家は、企業が開示する財務諸表などの情報を判断材料にして投資の意思決定を行うため、企業への信用と情報公開の透明性が非常に重要となります。

監査法人による監査は、財務情報の信頼性を独立した第三者の立場から確保し、市場からの信頼を得るための大切な土台作りです。

したがって、IPOを達成するためには、監査法人との契約を結び、監査を受けることが必要となります。

監査法人が担う役割は？

監査法人の主な役割は、企業の財務諸表を監査し、その情報が正しいかどうかについての意見を表明することにあります。

IPO準備中の企業に対しては、上場審査を通過するために求められる企業の内部統制の仕組みづくりに対して助言したり、会計処理の方法について指導したりするなどの指導的な立場を取ることもあります。

IPO準備における監査法人の選び方

IPO準備における監査法人の選び方のポイントは次の通りです。

ポイント①企業自体の規模と成長性

企業の規模や成長の段階によって、最適な監査法人は異なります。

大手監査法人は、監査体制がより厳格に整備されており、規模が大きく複雑な取引を持つ企業や、短期間でIPOを目指す成長志向の強い企業に適しています。

一方、中小監査法人は、比較的監査にかかる費用を抑えやすい傾向があり、これから成長していくベンチャー企業やスタートアップ企業など、比較的規模の小さな企業に選ばれる傾向があります。

ポイント②サポート体制

監査法人の規模によって、コミュニケーションの取りやすさやサポートの手厚さに違いが出ることがあります。

大手監査法人は、一般的に監査に関わる人員が多く、体制が整っているため、専門性の高い知識や資源を活用しやすいという強みを持っています。

しかし、担当者の変更が多い場合や、多くの顧客を抱えていること、責任あるポジションの会計士が訪問する機会が限定されるため、細かい情報のやり取りがしにくいと感じる場合もあります。

中小監査法人は、大手と比べて担当者が少なくナレッジの深度など劣るところはありますが経験豊富な精鋭であることが多く、経営者や経理部門とより密なコミュニケーションを取りやすい傾向があります。

ポイント③実績

選ぶ監査法人が、自社と同じ業種や規模の企業のIPOを支援した実績をどれだけ持っているかを確認することは非常に大切です。

過去に、どの市場で、どのような業種の企業の上場に関わったか、また、その成功事例などを確認しましょう。

実績が豊かな監査法人は、上場審査で注目される点をよく理解しており、予期せぬ問題への対応や、審査に必要な書類作成に関する正確な指導が期待できます。

まとめ

今回は、IPOにおける監査法人の必要性や、役割、選び方のポイント等を解説しました。

IPOを目指す場合、入念な準備が必要です。

監査法人の設置を考えた場合には当事務所にご相談ください。